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- 2017.07.27 Thursday
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5年前に特注で作ったヘンプパンツ。
2度目の修理を頼まれた。
前回既に「よくぞここまで履いてくれました」と言うくらい使い込んでいたので、
今回は「もう無理かも」と物を見る前からほとんど諦めていた私。
実物は‥(写真撮っとけばよかった)
やっぱり、ビリビリ、であった。
一応サラッと直して、「秋には切ってマフラーにしましょう、柔らかくなってていい感じです。」と言ってはみたものの。
繕い始めたら、結構面白い。
おしりの内側
2010年に東京で観た「BORO」という展覧会を思い出した。
肌に優しい木綿の反物はもちろん、麻の古布からぼろ切れにいたるまで、
当時の貧しい人々にとって、あらゆる布はたいへんな貴重品だった。
どんなに小さな布切れでも大切に取っておいて、それが風呂敷包みひとつになるくらい溜まったら、
それだけ持って女は嫁に行くーそんなことが珍しくなかったという。
着古した衣は米のとぎ汁に浸して縫い糸を引き抜き、小布1枚、糸1本にいたるまで粗末にすることなく、
すり切れた衣服や布団に縫い重ねていく。
あるいは数ミリの細さにまで裂いて、それを麻糸とともに織ってサキオリ(裂織)と呼ばれる、
独特の風合いを持つ布によみがえらせる。
最終的に、どうしようもなく使い切った布切れは、縄に編んで、農作業のときに頭に巻きつける。
端に火をつければ少しずつ燃えて、かっこうの蚊除けになるのだという。
大地から生まれた麻が布になって、ぼろになって、また灰になって大地に還っていく。
リサイクルという言葉すら白々しく思えるほどの、布への愛着とともに生きてきた人々がいて・・・
(つぎ、はぎ、いかす。青森のぼろ布文化 小出由紀子・都築響一)より抜粋
これは足袋
わたしの繕いものなんてこれに比べたらまだまだだった。
それにしても、わたしの織った布を破れるまで使ってもらえるなんて、
織りをやっててよかった!と思える瞬間である。
今年で約30年、
まだまだ続くよ。